視覚障害者の屋内誘導を実現します。

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白杖による分岐点案内等の点状突起形状の検出に関する研究2
糖尿病性網膜症の検知傾向

前回ご案内した検知実験の被験者のうち、5名が糖尿病性網膜症患者でした。そこで、検知実験において、糖尿病網膜症患者の検知率の傾向を調べました。

 

研究

 

図は検知実験の被験者を、糖尿病性網膜症患者とそれ以外に分類し、確信度の平均値を示したものです。糖尿病によって発症する合併症として、末梢神経障害があり、今回の糖尿病性網膜症の被験者も感覚麻痺の自覚症状がありました。そこで、糖尿病患者と非糖尿病患者に分類し、比較を行ったところ、相対的に糖尿病患者の確信度が低いことがわかりました。特に、突起高さ1mmと2㎜の確信度の総平均を比べると、突起高さ1mmにおいて、有意な差が得られました。ただし、突起高さ1mmにおいても、糖尿病性患者の検知率は100%でした。

現在、糖尿病性網膜症は、視覚障害の原因疾患の約2割を占め、緑内障に続く2番目に多い疾患であるため、今後、ブロックの形状を決定するためには、これらの実験結果を踏まえた検討が必要だと考えています。

出典:白杖による分岐点案内等の点状突起形状の検出に関する研究-視覚障害者のための屋内誘導システムに関する研究-

日本福祉のまちづくり学会第12回全国大会梗概集,柳原 崇男,原 良昭,桑波田 謙