視覚障害者の屋内誘導を実現します。

  • 警告タイル
  • 誘導タイル

屋内用点字ブロックの体験イベント

ちょうど2年前の2009年7月に、パシフィコ横浜で「ヨコハマ・ヒューマン&テクノランド(通称ヨッテク) 福祉を支える人とテクノロジー」という福祉イベントがありました。弊社も協賛させていただき、会場内に屋内用点字ブロックの体験コーナーを設置して、多くの来場者に体験していただくことが出来ました。
6.5メートル×4.5メートルの体験コーナーにカーペットを敷き詰め、そこに屋内用点字ブロックの誘導経路を設置しました。経路は、縦に一直線とそれを交差する2本の横直線で、分岐点、スタート地点、ゴール地点には警告パターンが配置されています。
体験者には、ゴーグルで視覚を遮蔽して、白杖を使って経路を辿っていただきました。

体験者は合計66名、平均年齢28歳、健常者が中心でしたが視覚障害者も3名、下肢障害で杖や車椅子利用者も体験されました。小学校低学年のお子さんや、高校生も多くて、とてもにぎやかな体験コーナーとなりました。
多くの体験者が、白杖を触れるのも初めてで、ゴーグルをつけて白杖で歩くことに不安を感じながら、とても興味をもって楽しんで体験してくれたのが印象的でした。

体験者には、「スタート地点から2つ目の交差点を右折してゴール地点で止まる」ことをお願いして、行動分析を行いました。

屋内用点字ブロックの体験イベント

介護を勉強する学生さんが多く来場していました。

 

屋内用点字ブロックの体験イベント

高校生も楽しんで体験していました。

屋内用点字ブロックの体験イベント

小学生は俄然やる気満々で、何回も行ったり来たりしていました。

屋内用点字ブロックの体験イベント

小学校低学年のお子さんには白杖が長すぎましたが、それでも上手く使っていました。

屋内用点字ブロックの体験イベント

盲導犬の体験者もいらっしゃいました。とても楽しんでいらっしゃいました。

屋内用点字ブロックの体験イベント

車椅子の方も体験されました。とても使いやすいと評価していただけました。

結果は、ゴールにたどり着けた人59名、たどり着けなかった人9名。たどり着けなかった人は、交差点をうまく検知できずに右折できずそのまま直進してしまうケースと、真っ直ぐ歩行できずに経路を外れてしまうケースがありました。
視覚障害者の2名は、問題なくクリアできました。


体験者にはいくつかのアンケートをお願いしました。
経路は分かりましたか?との質問に、58名が「はい」、5名が「いいえ」、3名が「どちらでもない」と答えました。
分岐点は分りましたか?との質問に、53名が「はい」、6名が「いいえ」、7名が「どちらでもない」と答えました。
屋内用点字ブロックを歩いた感想は、47名が「歩きやすかった」、10名が「歩きづらかった」、8名が「どちらでもない」と答えました。
仮に屋内にこのブロックが敷かれていたらどう思いますか?との質問に、46名が「気にならない」、19名が「気になる」と回答しました。
みなさん初めての体験でしたが、とても上手に経路を検知しながら歩くことが出来たと思いました。
7メートル程度の移動距離ですが、屋内誘導の可能性を改めて感じることが出来ました。
下肢障害で杖を使われている方に、歩きやすいととても好評でした。
車椅子利用の方も体験されました。全く段差や振動は感じないとのこと、とても使いやすいと評価していただけました。

最後に、いわゆるJIS規格型点字ブロックについて、「屋外や屋内で点字ブロックが敷かれていたら、あなたはどうしていますか?」と質問したところ、「特に気にしない」が13名、「気にしながら歩く」が27名、「なるべく避けて歩く」が25名という結果でした。
やはり多くの人は、いわゆる点字ブロックを気にしながら歩いているようです。

このヨッテクというイベントは、とてもフレンドリーで楽しいイベントです。今年で9回目を迎えましたが、是非今後も継続してほしいと思っています。
ヨッテクのホームページです。


株式会社クワハタデザインオフィス
桑波田 謙
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