エスコットのご紹介
現在、弊社で開発している屋内用点字ブロック「エスコット」のご紹介です。
前回ご紹介した「UDフロア」は、カーペットの床に埋め込むタイプの屋内用点字ブロックでした。
施設によっては、床はカーペットとは限りません。石や長尺ビニールシート、Pタイル、コンクリートなど様々です。特に、建物のエントランス部分の床は、様々な素材が用いられています。
そこで、そのような多様な床材に対応できる、視覚障害者誘導ブロックの開発を進めています。
商品名は「エスコット」です。
付添いや送り届けるという意味の、エスコートという言葉が語源です。
「エスコット」は、床に直接貼り付けるタイプの屋内用点字ブロックです。
床面が平滑であれば、素材を選びません。
接着剤や両面テープで、簡単に設置することが出来ます。
「エスコット」は、警告ブロックと誘導ブロックの2種類が合って、それぞれの表面には小さな突起パターンが
成形されています。
警告ブロックにはドットパターン、誘導ブロックには線状パターンが施されていて、「止まれ」、「進め」の案内で、屋内を誘導する仕組みです。
バリアフリー新法では、公共的な施設の入口から案内設備までに、視覚障害者誘導用ブロックを設置するように規定されていますが、「エスコット」はこの仕様に対応した商品です。
エスコットの厚みは、突起部分でおよそ2㎜、ベースを含めた全体の厚みは2.4㎜です。
2.4㎜という厚みは、高齢者が躓く可能性のある段差許容値に対応しています。
言い換えると、2.4㎜を超える段差は、高齢者の躓きの原因になるということです。
高齢者の躓きだけでなく、車椅子やベビーカーの利用にも小さな突起は有効です。
これまでの研究から、JIS規格型点字ブロックと比べて、車椅子やベビーカーの利用時には大幅な振動の軽減を確認しています。
小さな突起による誘導は、利用者全てに安心と安全を提供することが出来ます。
またエスコットは、点字ブロックと同様な並べ方で設置します。視覚障害者が普段使い慣れている点字ブロックと同じ仕組みで案内しますので、使いこなすことがとても容易です。
更に、様々なカラーバリエーションを用意していることも特徴です。点字ブロックというと黄色をイメージする方が多いと思います。しかし、建物内部では、建築の意匠との組合せが重要だと考えています。建築内に設置しても、インテリア性を崩すことがなく、視覚的にも分りやすくするために、豊富なカラーバリエーションから選んでいただくことが可能です。必要に応じて、指定色の対応も可能にしています。
エスコットは、2010年度横浜市中小企業研究開発助成金を取得して開発されています。
横浜市の行政現場から、屋内用の点字ブロックを開発して欲しいという、行政現場の課題を弊社で解決すべく、商品開発を進めています。
詳しくは、弊社までお問合せください。
株式会社クワハタデザインオフィス
桑波田 謙